2018.06.27

ベビーカー選びで1番大切なのは!?〜実際にベビーカーを使っている先輩ママ&パパたちのアドバイス〜

赤ちゃんを授かってから、もっとも大きな買い物のひとつであるベビーカー。予備知識のないままお店に行くと、思わずテンションが上がり過ぎてしまいます。赤ちゃんの安全性や快適性にはこだわりたいし、押しやすさや持ち運びのしやすさ、見た目のスタイルも妥協したくない・・・いろいろと考えこんでしまい、なかなか決められない方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は2人の先輩ママさんに集まっていただき、座談会を開催。どうやってベビーカーを選んだのか、またこれまで使ってきての感想などをうかがってみました。

情報収集で頼りになるのは、「目的のキーワード」を使った「ネット検索」

座談会にご参加いただいた皆さんテーブルをはさんで左側が三田栄里子さん(32歳)。テーブル右側が長縄舞さん(32歳)


筆者「では、自己紹介をお願いします」

三田さん「私は品川区に住んでいます。3歳になる娘のひなりと、8ヶ月になる娘のあかりがいます。長縄さんとはブログを通じて仲良くなりました」

長縄さん「私の住まいは千葉県船橋市で、娘は3歳の晴(はる)です」

筆者「ありがとうございました。さっそくですが、今お使いのベビーカーを選んだときの『情報源』はなんでしたか?」

三田さん「私はまず、ネットで『セカンドベビーカー』と検索し、出てきたブログや記事を大量に読みました。そこでいくつか候補を絞ってから、お店で比較するといった流れでしたね。読んだブログは主に個人の育児ブログで、実際にベビーカーを使われている方のものです。その時に気にしていたのは、このベビーカーは2台目なので『コンパクトさ』と『軽さ』、それから『見た目』と『値段』でした。ちなみに1台目のベビーカーはAprica(アップリカ)のラクーナです」

長縄さん「私は新潟に里帰り出産したので、ベビーカーよりも先に、生まれたばかりの娘を車に乗せて長距離移動するための『ベビーシート(新生児用のチャイルドシート)』を選びました。そして、このベビーシートとドッキングできるものはどれか、という観点でベビーカーを選んだのです。ですから、ネットでたくさん検索して調べたのはベビーシートの方でしたね。『チャイルドシート』で検索して、候補になったのが『ブリタックス・レーマー』と『MAXI-COSI(マキシコシ)』の製品でした。両方とも実物は当時、川崎にあったミキハウス・ママ&ベビーというお店でチェックしました」

先輩パパ&ママがベビーカーを選んだポイントは?

三田さんのベビーカー三田さんのベビーカー。cybex(サイベックス)「EEZY S」。重量は5.9kg

筆者「現在使われているベビーカーを選んだポイントを教えてください」

三田さん「2台目に買うベビーカーは自分のテンションがちょっとでも上がるように、スタイリッシュな海外ブランドのものがいいな・・・と思っていました。そこで候補に上がったのがドイツ生まれの『cybex・EEZY S』とフランス生まれの『BABYZEN・yoyo』です。どちらも三つ折りに畳めて、とてもコンパクトになります。ただBABYZEN・yoyoの価格は7万円ぐらいで、セカンドベビーカーとしてはちょっと高いな、と思いました。一方、cybex・EEZY Sは3万5千円ほどで、同じくらいの機能であればこちらがいいと思って、決めました。購入したのはネットですが、実物を見たのは新宿の伊勢丹です」

長縄さんのベビーカー長縄さんのベビーカー。AIRBUGGY(エアバギー)「COCO PREMIER」。重量は10.3kg

長縄さん「最終的に選んだベビーシートは、『マキシコシ』の『ベビートラベルシステム』でした。理由はベビーシートを車に固定するISO-FIXの器具がブリタックス・レーマーの方は1歳までしか使えない専用品で、マキシコシはチャイルドシートを買い換えれば3歳くらいまで使えるものだったからです。それからマキシコシの方がトータルで揃えたときの価格が安く、少しだけ軽かったこともポイントでした。ブリタックス・レーマーはイギリス王室御用達で、ちょうど私が出産した時期にキャサリン王妃が使っていて、気にはなっていたのですが(笑)。そして、このベビートラベルシステムに対応するベビーカーという選択肢から、ほぼ自然にAIRBUGGY(エアバギー)になりましたね。お店で押してみたときの押し心地も軽くて、そういったことも決め手になりました。他のベビーカーは一切、見なかったです」

筆者「ご主人はベビーカー選びについて、なにかご意見はありましたか?」

三田さん「夫は『君が好きなものでいいよ』という感じでしたが、コンパクトなものがいい、とは言っていました。以前使っていたアップリカのベビーカーは車に載せる時にトランクの場所を取っていたので、もっと小さくたためるものがいい、と。これはうちの車がいわゆるセダンタイプで、最近の流行であるミニバンと違い、トランク容量が限られていることが大きかったと思います」

長縄さん「夫もエアバギーでまったく異論はありませんでした。ただ、色について私はピンクが良かったんですが、2人目のことを考えた方がいいと言われてチャコールグレーにしました」

実際に使ってみてわかった! 「都内の駅構内のバリアフリーは未完成」という事実

筆者「購入したベビーカーについて、実際に使ってみた感想はいかがですか?」

三田さん「使い始めて1ヶ月になりますが、まず走行性がすごくいいです。前のベビーカーは上の娘を乗せると重くてつらかったのですが、このベビーカーだとスイスイ押せます。段差を乗り越えるのも、前のベビーカーよりスムーズになった気がします。家の近くに踏み切りがあって、前のベビーカーではそこを渡るときに結構引っかかっていたのですが、今のベビーカーだとスムーズに渡れます。これは前のベビーカーは二輪タイヤで、今のベビーカーはシングルタイヤだからかもしれません。それから畳むと非常にコンパクトになり、玄関に置いても邪魔にならないですね。またシート裏がメッシュになるので、これからの夏の暑さ対策・通気性も良いと思います。気になる点は今のところありません」

走行性の良さを支えるシングルタイヤとサスペンション走行性の良さを支えるシングルタイヤとサスペンション
折りたためば、女性の膝下までの大きさに!折りたためば、女性の膝下までの大きさに!
夏場も涼しそうなシート裏のメッシュ夏場も涼しそうなシート裏のメッシュ

長縄さん「今、娘は3歳なんですが、エアバギーを主に使ったのは娘が生後1ヶ月から1歳半くらいまででした(生後1か月から3か月までは、マキシコシをエアバギーに取付けて使用)。1歳4ヶ月のときにセカンドベビーカーを買い、今は主にそちらを使っています。エアバギーの良かった点は、とにかく走行が滑らかなところ。またタイヤが大きいので段差やデコボコ道も気になりませんでした。それからタイヤのストッパーが強力で、電車でストッパーをかけておけば、ビクともしないです。また座面シートを取り外して丸洗いできるので、汚れを落とせるのも良かったですね。セカンドベビーカーの方は取り外せないので、おやつの食べこぼしや砂ぼこりなどで汚れっぱなしになってしまいます。セカンドベビーカーは『joie(ジョイー)・エアスキップ』というイギリスのメーカーのものなのですが、これは2万円以下という価格と軽さで選びました」

足元まで覆ってくれる日よけカバー。シートも丸洗いできる足元まで覆ってくれる日よけカバー。シートも丸洗いできる
圧倒的な走行性能を誇るエアタイヤ圧倒的な走行性能を誇るエアタイヤ。しかし・・・

長縄さん「外出先でエアタイヤがパンクした経験はありませんが、今日、久しぶりに使おうとした時は空気が全然入っていなかったので、エアポンプで空気を入れてきました。本当は1ヶ月に1回入れなければならないらしいんですが、よく使っていた頃に空気を入れるのは3〜4ヶ月に1回くらいの頻度でした。空気を入れた方が明らかに走りが滑らかなので、もっと頻繁に入れた方が良かったと思いますが、いざ出かけようというときにはなかなか入れている暇はなかったですね。ただ大きいわりに小回りが利き、狭い改札もスムーズに通れましすから、階段さえなければ電車でも使いやすかったです」

空気を入れるのは意外と面倒な作業のようだ空気を入れるのは意外と面倒な作業のようだ

長縄さん「悪かった点ですが、やはりエアバギーは10kg以上あって重く、バスや地下鉄に乗る時は辛かったです。階段しかない時は途方にくれました。そういう時は赤ちゃんを抱っこ紐で運び、片手でエアバギーを持って階段を使わなければならなかったので、いつも抱っこ紐を持ち歩いていました。だからなるべく地下鉄には乗りたくなかったですね。また車で移動する際も、積み下ろしが大変でした。畳んでもそれほど小さくなりませんし、重いので」

赤ちゃんを乗せた状態で持ち上げるのは、かなり辛かった赤ちゃんを乗せた状態で持ち上げるのは、かなり辛かった・・・とのこと
両者を比べると、その大きさの差は歴然としている両者を比べると、その大きさの差は歴然としている

三田さん「浅草線とか、本当に階段が多いですよ。あと少しで出られるのに、ほんの数段だけ階段みたいな」

長縄さん「そうそう。それからエレベーターは駅にそもそも無かったり、台数が限られていて、順番待ちで全然使えなかったりしますね。安心して乗れるのは、新しい路線の副都心線くらいです。東西線もダメで、大手町駅などは乗り換えが本当に大変です」

座談会に一緒に来てくれた娘さんたちと全員集合座談会に一緒に来てくれた娘さんたちと全員集合

三田さん「品川駅とか武蔵小杉みたいにファミリー層が多い駅はエレベーターがあるんですけど、逆にものすごく混雑するんです。みんなが使いたがるから。そうなると、もう階段で行きたくなるんですけど、そのときにベビーカーが重いと本当に大変ですね」

長縄さん「駅でエレベーターを探すのは本当に大変です。だいたいホームに1ヶ所しかありませんから。東京駅、新宿駅、渋谷駅なんかは特に面倒ですね」

これからベビーカーを選ぶ後輩パパ&ママさんたちへのメッセージ

「ベビーカーでの外出」について盛り上がるお二人「ベビーカーでの外出」について盛り上がるお二人

筆者「お忙しいところ大変ありがとうございました。最後に後輩パパ&ママさんに、一言アドバイスをお願いします」

三田さん「私は1台目のベビーカーに王道の国内メーカー品を買いましたが、それは可もなく不可もなくという感じでした。だからとても個人的なアドバイスになりますが、毎日使うことになるベビーカーはテンションが上がるものを選んだ方がいいよ、ということをお伝えしたいです。国内メーカー・海外メーカー関係なく、自分の気に入ったものを妥協せずに選んだ方が、毎日が楽しくなると思いますね」

長縄さん「私は2台使った結果として、軽いベビーカーこそが最強だな、と思うようになりました。最近は電動自転車で出かけることが多く、そのカゴに入るか背負えるくらい、もっと軽くてコンパクトなベビーカーが3台目として欲しいと思っているほどです。結局、ライフスタイルとして自動車での移動が多ければ、積み下ろしが楽な軽いベビーカーの方がいいと思います。また電車もJRしか使わないのであれば、エレベーターやエスカレーターが多いので大丈夫ですが、地下鉄をよく使うのであれば、エアバギーのような重いベビーカーはオススメしません。地下鉄は出口や乗り換えルートによって、エレベーターやエスカレーターがまったく無かったりするので、本当に大変ですよ」

対談を終えて

これまで開催した3回の座談会を通じて感じたのは、やはり「軽さ」はほとんどの家庭で非常に大切だということ。そして最近の「シングルタイヤ」はかなり高い走行性能があるということもわかってきました。またスペースに余裕があるとは言えない日本の車や住宅事情から、「コンパクト」に畳めることも見逃せないかもしれません。さらに毎日使うものですから、やはり自分の気に入ったデザインで、使うことが喜びになるということも大切ですね。ぜひ今回の記事を参考に、ベビーカーを検討してみてください。

著者紹介

関 和幸

千葉県在住のフリーライター。不動産情報サイト「マイナビ賃貸」、横浜・湘南エリアの街情報サイト「はまれぽ.com」などでコラムを連載中。得意な取材分野は「不動産」「法律」「医療」「農業」など。インタビューによる自分史製作会社「わたしの物語」を主宰している。

わたしの物語
http://my-stories.jp/
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